99.9996%
郵便局の強盗事件で、現場に投げ捨てられたマスクに付着した唾液のDNAが犯人のものと一致した。
痴漢を否認していた男性の指先付着物のDNAが、被害女性のものと一致した。
・・・ここ数日のニュースだけみても、DNA鑑定のすごさがわかります。
こういう具合に、DNA鑑定は刑事事件の捜査に大きく役立っています。
刑事事件のみならず、民事事件や家事事件でも、DNA鑑定は威力を発揮します。
妻が、夫に内緒で、A氏の子どもを妊娠し出産。
その子どもBちゃんは、夫の子どもとして出生届がされたが(夫は自分の子どもだと信じていた)、数年後、状況が変わり、BちゃんがA氏の子どもであることの確認を求める、という事件がありました。
その名も、「親子関係不存在確認」事件。
戸籍上の父親とは親子関係がないことの確認をするということです。
そこで威力を発揮するのが血液によるDNA鑑定です。
裁判所が専門の研究所に鑑定を嘱託して行われました。
結果は「AとBの間の父子関係の存在を否定する結果は得られず、統合父権肯定確率は、99.9996%と算出された。以上の結果により、AとBの間には、生物学的な父子関係が存在すると極めて強く推認できる」というものでした。
99.9996%という数字が、A氏とBちゃんをつなぐ根拠となったわけです。
さまざまな技術が発達し、裁判等での証拠類も、方法を工夫すれば、相当程度、精度の高い証拠を提出することができるようになりました。
そのことにより、真実が解明される確率が向上したのは間違いありません。
しかし、逆にいえば、世の中の事象は、我々の行動も含めて、どこかで証拠化される可能性がある状況になっている、ともいえます。
いいことなのか、わるいことなのか、・・・判断はわかれるところでしょう。
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