天窓落下事件
小学校の屋上のドーム状の天窓から、6年生の男の子が
落下するという痛ましい事件が起きました。
1時間目、屋上を使った授業が終わった後の出来事だったそうです。
屋上の天窓から落下、と聞いても、どういう状況か
理解できなかったのですが、
ニュースで映像を見て合点がいきました。
1階から3階までの吹き抜け部分の天井に天窓が何箇所か
設置されているのですが、
屋上から見ると、天窓部分の外側のカバーとして、
プラスチックのドームでおおわれている、というものです。
昨晩の会見で、当該小学校の校長は、
「予見可能性はなかったと思う」
と答えておりました。
しかし、本当にそうでしょうか?
今回の事故は、子どもの不注意だったと片付けていいのでしょうか?
屋上にあがってみると、足もとにプラスチックのドームが
何箇所かあるわけですが、
それが、一体何であるか、小学生には理解しがたいのではないでしょうか。
仮に、なんとなく天窓のカバーであると理解したとしても、
強度がなさそうだから、体重をかけたりしたら危ないのだ、
ということが小学生たちに理解できるのでしょうか。
確かに、大人であれば、このドームは何だろう?
→そうか、室内から見た時のあの天窓のカバーだろう。
→そうすると、危険だ。近づくべきではない。
→あるいは、体重をかけると破損し、自分が落下するかもしれないからやめておこう。
・・・といった事態を予見し、危険を回避することはできるでしょう。
しかしながら、小学生自身に、その危険性を予見し回避する
ことを期待するのは難しいと思います。
しかも、小学校には、1年生(6歳)といった小さな年齢の子ども
だっているのです。
私などは、ニュースの映像を見た段階で、
なぜ、天窓のドームのカバーの周囲に柵を設けていなかったのか、
と疑問でなりませんでした。
最低限でも、「きけん!、近づいてはなりません」といった表示は
できたはずです。
屋上は、子どもの立ち入りが想定される場所なのですから、
しかるべき危険回避の措置が取られていなかったのは、
安全管理上の過失があると断じられてもやむを得ないと思います。
それにしても、亡くなったお子さまはもちろん、親御さんの無念さは
いかばかりでしょうか。胸が痛みます。
朝、元気で出かけた子どもが、そのような事態に
巻き込まれているとは想像すらできなかったでしょう。
学校は、他の施設以上に施設面での安全を心がけなくてはなりません。
中国では、大勢の子どもたちが天災でなくなりました。
今回は、まさに人災だったと思います。
二度と、同様の事故が発生しないよう、学校関係者は、
速やかに対応すべきだと強く思います。
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