法科大学院
司法試験制度が変わり、法科大学院を経た法曹が誕生するようになりました。
我々と全く異なるプロセスを経て新しく法曹になる方々が、 どのような資質を備えておられるのか、私たちとしても、 とても気になるところです。
ところで、法曹になるためには、司法修習の総仕上げとして、 「考試」と呼ばれる卒業試験を受けなくてはなりません。
民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目について 具体的な事案に即して行われる試験です。
とにかく、一日中、書いて書いて書きまくる試験だったという 印象が残っておりますが、 我々の頃の代は、不合格者が出た場合、それだけで話題になる くらい、合格することが当たり前とされた試験でした。
ところが、昨年11月に実施された法科大学院卒業の第1期生が 受けた「考試」では、不合格者が7.2%もいたそうです。 実に76名の法曹の卵が、法曹になれなかったというのです。
不合格事例の中には、被告人の弁護をしなくてはならない立場 であるにも関わらず、被告人のアリバイの主張を取り上げなかった、 という致命的なミスもあったようです。
司法制度改革により、弁護士数も増加の方向にありますが、 資質は保たれるのでしょうか。
昨年度は、就職できない司法修習生が増加し、 やむなく「たく弁」(自宅開業)として登録したものの、 月収6万円で、弁護士になってもワーキングプアーだ といった記事も出回っています。
先の見えない司法制度改革、今後、どこへ向かっていくのでしょうか。